◆13年を経てリニューアル版製作中◆
=1991年初版時における電源ハムと音源ノイズの低減作業完了=

サンプル
ピアノ組曲 作品25/1. Präudium. Rasch
ピアノ組曲 作品25/7. Gigue .Rasch
ピアノ曲 作品33a/Mässig

デジタルの指による12音音楽の超絶的リアリゼーション
『シェーンベルク・ピアノ全曲集』
*演奏・製作 内藤孝敏*

《演奏》内藤孝敏
《製作・販売》株式会社 音源
《定価》¥2,940 (税込価格)
《Copyright 2003, Alpha Plus Music, Tokyo Japan》

1991年9月POLYDOR株式会社から発売された初版CDは、好評をもって迎えられ即完売となった。しかし、再版は行なわれず幻のCDとなっていた。

《初版時の有識者の声》
◆「まるでポップスだ!朝目覚めた時これを聴くと一日が爽やかになる。」
=三枝成彰氏(作曲家)テレビ朝日『 OH! エルクラブ』出演=
◆「極めて衝撃的なディスクである。革命的と言ってもよい。この見事なシェーンベルクのピアノ曲のリアリゼーションを聴くと、この方法による違和感よりも、このシステムに対する期待感をより多く感じる。精密な細部の音響化、もちろんノー・ミスタッチのアタック。細密なトリルも綿密にリアリゼーションされており、響きの強弱のパースペクティブも見事だ。近い将来、本誌もこの件で『特集』を組まねばならなくなるだろう。このアルバムは根源的な問題を孕んでいる。」
=武田明倫氏 (武蔵野音大教授・音楽評論家)『レコ−ド芸術 (音楽の友社・1991年11月号)』=

《収録曲》

(1) ピアノ組曲・作品25  
(2) 6つのピアノ小品・作品19 
(3) 3つのピアノ小品・作品11
(4) 5つのピアノ曲・作品23
(5) ピアノ曲・作品33a 
(6) ピアノ曲・品33b
製作について

◆アルバム第一曲に収録されている『ピアノ組曲(OP25)』は、A.シェーンベルクが創始した12音技法によって初めて書かれた作品で、作曲技法上の歴史的意義は極めて高い。
◆12音技法は、順次現われる12の音列を主題として用い、終曲終了までその順列を変えることが出来ないという厳格な規範を持つ。しかも、一つ一つの音符に様々な音量記号や発想記号が指定され、複雑で難解な構造で、鍵盤と手の関係が完全に無視されているため、10本の指による演奏は極めて困難である。人間が、その指で、楽譜通りに演奏することは殆ど不可能なのだ。
◆内藤孝敏は、'53年から五年間、桐朋学園の講師を勤めてソルフェージ科の最高クラスを担当し、教材としてシェーンベルクその他の現代音楽を使用していた。ソルフェージ教師には、例えテンポは遅くとも、常に、楽譜を完全に正確に弾くことが要求される。五年もの間、一音一音、正確に教材を弾き続けたために、楽譜は内藤の体内に蓄積され、その後、頭の中だけで鳴り響く夢幻的音楽となった。無論、当時、その夢の中の音を実在する音に変換出来る時代が来ようとは考えてもいなかった。
◆このアルバム製作について内藤は、「体内に永いあいだ眠っていた音のフォルムをシーケンサーに刻み付けるのに、二年という永い忍耐を要した。演奏家ではなく、まるで“ノミ”と“ツチ”を持った彫刻家のような日々だった」といっている。
◆“Digit”という言葉は、元来“指”を意味する言葉である。人間の指ではなく、デジタルの指によって初めて12音技法の完全な演奏を可能ならしめたこのアルバムは、音楽の将来の関する様々な予見を我々に示唆しているといってよいだろう。 

「内藤孝敏略歴」

●1932年東京生/東京芸大作曲科に学ぶ
●日本音楽著作権協会正会員
《主作品》
●作曲「櫻の園(東宝・帝国劇場)」「鹿鳴館(松竹・日生劇場)」「椿姫(松竹・新橋演舞場)」「ハロルドとモード(文学座)」「ワーニャ伯父さん(同)」「NHKスペシャル驚異の小宇宙・人体(NECアベニュー)」「大河の一滴(NTV)」「天皇の料理番(TBSTV)」
●編曲「だん いくまポップス・コンサート(NTV/読売交響楽団/5年間)」「アイザック・スターン日本の調べ(CBS・SONY)」
●音楽監督・指揮「ラマンチャの男(東宝・帝国劇場)」「シカゴ(同)」「レ・ミゼラブル(同)」「三文オペラ(東宝・帝国劇場及び東京室内歌劇場公演)」「南太平洋(東宝・宝塚劇場)」「デュエット(東宝・日生劇場)」
●CD作曲・演奏・製作「鳥たちの楽園(音源)」「シェーンベルク・ピアノ全曲集(グラモフォン/音源)」「オルゴール夢詩集(ポリドール)」「音の森林浴(東芝EMI)」
●品川征郎SPコレクション復刻精選集「THE HEARTFUL SINGERS=世紀を超えて甦る歌声=(全15枚組/音源/文献社)」「THE STRINGS=伝説の響き=(全28枚組/音源/文献社)」
●著作及び論文『三つの君が代=日本人の音と心の深層=』(97年2月・中央公論社刊/99年8月・中公文庫)『古代中国の編鐘の音響と構造』(98年10月『日本音響学会誌54巻9号/共著』)